infection院内感染対策
6医療従事者への感染予防
ここでは歯科診療中に起こる血液暴露、特に針刺し・傷創事故とそれによって起こる可能性のある感染症(HBV,HCV,HIV)と事故が起こってしまった後の対応をみていくことにします。
歯科における針刺し・切創事故はバーによるものが一番多く(37%)、次いで注射針によるものが(30%)、そして鋭利な器具によるものが(21%)となっています。(ペンシルバニア大学Michael Glick教授講演より)そして、日本のある大学附属病院の針刺し事故調査の結果であるデイスポーザル注射器での針刺し事故は、
- 注射針の使用後廃棄までの間
- 注射針の使用中
- リキャップ時
の順に多いという結果が出ています。
感染率
針刺し事故が起きた時、どの位の割合で感染が成立するのか文献を中心に調べてみました。
患者さんが感染者であることが分かっている時
HBs抗原陽性の患者さんの針刺し事故では30%
HCV抗体陽性の患者さんの針刺し事故では3%
HIV抗体陽性の患者さんの針刺し事故では0.3%
程度ではないかといわれています。
患者さんの感染状態が不明の時、有病率と感染率の計算から
HBVでは約0.8%
HCVでは約0.03%
HIVでは約1.2×10-5%
程度ではないかといわれています。
針刺し事故後の対応
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針刺し事故後のフローチャートです
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C型肝炎感染者(HCV抗体陽性)からの針刺し事故の対応
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C型肝炎感染者(HCV抗体陽性)からの針刺し事故の対応
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HIV感染者(HIV抗体陽性)からの針刺し事故の対応
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・針刺ししたが患者さん、患者さんが特定できない
・患者さんの感染症に関する情報が入手できない
・患者さんが感染症検査を拒否する
など、針刺し事故を起こしてしまったが、情報がないため何に対して対応をとればいいのか分からない時の考え方です。