infection院内感染対策

d.外部注水機能付き機器の活用

歯科用治療ユニットから排出される水質について述べてきましたが。纏めてみると図のようになります。水質改善の具体的対応を取らなければ排出される水質は水道水の水質基準を満たすことはできず、水質はかなり悪化していると考えなければなりません。また、空ぶかしや、フラッシングなどの対策も一度形成された配管内のバイオフィルムの除去などには効果がなく、時間をかければ排出される水が水道水レベルを回復する期待がもてるということのようです。薬液消毒システムを保有する治療ユニットでは使用の注意を守れば細菌数をほぼゼロに抑えることもできるようで、水道水の水質基準よりは清潔な水の利用が可能になります。しかし、これとて滅菌レベルとはかけ離れており、厳密な外科処置等には適切ではありません。滅菌レベルの治療水を得るためには、外部注水機能付き機器と滅菌済みの生理食塩水、あるいは滅菌水、そして滅菌済みのディスポーサブルの注水ホースが必須になります。

これはシロナ社のユニットにオプションとして外付けできる滅菌水の供給システムです。滅菌生理食塩水は滅菌済みのディスポーザブルホースを通り直接各種のハンドピースに送られるようになっており、既存のユニット内の配管を通ること無く滅菌水を供給できるようになっています。注水ポンプのコントロールはコントロールパネルでの切り替えにより通常のフットペダルで行なうことができるようになっています。非常に使い易いシステムを構築しています。

左上:このように、小型のモーターをユニットの下面に取り付け所定の配線をすることによって、ユニット本体のコントロールシステムを使用することができます。

右上:注水ポンプはこのようにホース側に付いており滅菌済みのディスポーザブル製品として売り出されています。

左下:外部注水用ハンドピースの注水口にディスポのホースの末端を接続することによって、既存のユニットの給水管を通ることなく滅菌水の供給が可能になります。

右下:外部注水用のコントラも各種の機能・形態のものがあり、目的に応じて選択ができるようになっています。

一番簡単な方法はこのような外部注水機能を持ったモーターセットを購入することです(例インプランター)。名前の通り主にインプラント手術用に開発されたもので、同類の機器が各社から発売されているので、それを選択することになります。滅菌生理食塩水、滅菌済みディスポーザプルホースを組み合わせることによって滅菌水の供給が可能になるものです。ハンドピース、モーター等も滅菌可能になっており、一連の滅菌対応システムの構築が可能になります。