infection院内感染対策

13口腔内消毒

歯科疾患と全身との関連

A)歯科疾患が細菌性心内膜炎の原因になることは古くから知られていました。疾患のある患者さんに対して抜歯前に抗菌薬の予防投与をすることはすでに常識になっています。
また、米国心臓協会は、心内幕炎の危険性のある患者に対しては治療前に抗菌薬で口腔洗浄をすることを奨励しています。

B)日本赤十字の献血時の注意事項のなかで「3日以内にスケーリングをした人は採血ができない」ことになっています。

C)Periodontal Medicineとして歯周病と糖尿病等の全身疾患との関連が問題視されている。

術前の口腔洗浄

歯科医療における院内感染対策のCDCガイドラインの「特に配慮すべき事項」の「術前の口腔洗浄」の項に歯科治療前の抗菌薬による口腔洗浄には次の2つが期待できると記載されています。

1)患者から放出されるエアロゾルや飛沫中の微生物数を減少させることができる
2)観血的歯科治療の際に患者の血流に侵入する細菌数を減らすことができる

図は感染予防の視点で歯周ポケット内を見直して見たものです。
黄色のTooth:歯周ポケット内の歯根表面
Bacterial Biofilm:歯根表面に付着した細菌や毒素
Ulcer:炎症を起こした歯周組織の潰瘍面
歯周ポケット内は口腔内全体から見ても最も不潔な場所であると考えられ、その処置にあたっては充分な注意が必要だと私たちは考えています。