infection院内感染対策

5グローブ着用とグローブ着用手指の順守事項

滅菌された器具類と汚染された器具類が同居したこのような治療室も、人がいなければ両者が交じり合うことも無く「器具類の滅菌・保管システム」は、ず〜っとこの状態を維持できると考えていいでしょう。

このように無人の診療室を見ていると、院内感染予防対策のほとんどが医療従事者、とくに医療従事者の手指の扱いにあることが理解できます。

しかし、一旦診療が始まってしまえば医療従事者は滅菌したものの取り出しや、汚染された使用済みの器具類のかたづけなど相反した作業を次々とこなさなければなりません。そして作業のすべては医療従事者の手指で行われます。

歯科医院では高価な滅菌グローブの使用は困難で、未滅菌のグローブを使用していくことになります。グローブの使用量を抑えながらなおかつ滅菌システムを台無しにしてしまうことのない診療システムを作っていくことが重要になります。

複雑に見える手指を介した交叉感染も患者さんの血液(体液)との接触がどんな時に起きるのかを整理していくと、解決の糸口が見えてきます。

歯科医院では以下の3つの場で対策をたてていけばほとんどの交叉感染を防止できると考えています。

A)消毒作業時

消毒作業従事者とそれ以外の人のグローブ着用手指の順守事項

B)治療中

治療中の術者と補助者のグローブ着用手指の順守事項

C)トレー上

トレー上の器具使用時のグローブ着用手指の順守事項