infection院内感染対策

4器具類のパッキングと保管システム

滅菌バッグへのパッキング

現在、村井歯科ではグルタラール製剤で消毒されている一部の器具類以外は全ての物がパッキングされています、おそらく使用されている器具類の95%以上はパッキングされて滅菌・保管されているでしょう。
以前は手で圧着させるタイプのシーラーを使用していましたが、圧着が不十分でシールの剥がれに悩まされていました。もう少し確実なシールができるものを探したのですがなかなか条件に合うものがみつからなかったのです。
条件として、
・シール幅が2~5mm
・圧着が確実で楽な作業
・日付けが入る
・できるだけコンパクトなもの
医科用のシーラーには良い物がたくさんあるのですが、シール幅が決まって10mmあるのです。確実なシールを求めれば当然のことです。しかし、歯科医院での頻繁な開封には、10mmの開封は大変すぎるのです。

滅菌バッグ

使用している滅菌バッグは全てこのようなロール状のものを使用しています。ここには使用頻度の高い6種類が出ていますが、後ろにあと3種類あり全部で9種類(幅)の滅菌バッグを使用しています。
パッキング作業のキャビネットの下の扉を開けるとこのように保管されており、使用勝手のいいように配置されています。

日付けの印字

滅菌バッグをパッキングした際、このように必ずパッキングした年月日が印字されるようになっています。日付けにより、いつ滅菌処理されたものか一目瞭然となったのです。

シーラー

色々探した挙げ句にたどり着いたシーラーがこれです、コンパクトなものとはいかず、型もあかぬけないものでした。
しかし、足元でのエアースイッチによる自動圧着は確実で快適なものになりました。そして日付けの印字も可能になりシール幅も2mmと5mmのどちらかを選択できる等、村井歯科にはドンピシャリの要件を備えていました。しかし、欠点として音がうるさいことがあげられます。

富士インパルス

・電動インパルスシーラー FA-300
・シーラー取付けホットプリンター FEP-N1(内側印刷:シールの内側に印刷される)

保管

外科器具類はこのように、ガラス扉で密閉されたキャビネットに保管されています。種類別に区分けされとり出し易いように保管されています。
滅菌パックされた滅菌物への考え方として、「感染と消毒通信」の以下のQ&Aを一つの参考にしてください。「化学的インジケータや生物学的インジケータでチェックされた滅菌条件で完全に滅菌処理された物が適切な保管が行われたとき、滅菌物を開けない限り半永久的に無菌を維持していると言われている。
米国CDCが1970年代前半に実施した滅菌物の保存期間の研究で、時間の経過(紙製滅菌パックで1~3ヶ月)とともに滅菌の質保証がかわるとの考えであった(TRSM:time related sterility maintenance)。しかし、その後の研究などから包装され滅菌処理された物が汚染され無菌でなくなるのは、時間(time)ではなく、滅菌物に対し汚染される可能性のある行為(event)があったかどうかにより起こるという考えかたである。これがERSM(event related sterility maintenance)である。有効期限は不要との考えかたである。問題となるのは滅菌物がどのような行為で汚染されるかであり、包装材料と包装法・滅菌・保管・搬送・取扱いなどの管理が重要となる。
滅菌物の保管は、環境のコントロールが必要で、空調された部屋で、通気口や吸気ファンの近くには置かないことであり、できるだけ閉鎖棚に保管することが重要である。又、滅菌物の管理は、ラベルシステムによるロット管理で行い、滅菌器番号、滅菌日、滅菌者、有効期限等を表示し目視管理できるようにし、古い滅菌物から取り出せる工夫が必要で、手に触れる回数を少なくすることが大切である。」
日本医科器械学会が2005年8月発表した「医療現場における滅菌保証のガイドライン2005」を参考にしてください。